ケアマネから見た、在宅介護が限界になる家族の共通点

家族介護者

〜頑張りすぎてしまうあなたへ〜

在宅介護をしている家族から、よく聞く言葉があります。

「まだ大丈夫です」

この言葉は、本音でなく、限界まで頑張っているサインであることが多いのです。

ケアマネとして多くのご家庭を見てきましたが、
在宅介護が限界を迎える家族には、いくつかの共通点があります。

介護生活に限界がくるのは
・介護や対応方法が間違っている
・我慢が足りない
ではありません。

むしろ逆で、
真面目で、責任感が強くて、優しい人ほど限界を迎えやすいのです。

今日は、現場で感じてきた「共通点」を、できるだけ正直にお話しします。


共通点①「自分が頑張れば何とかなる」と思っている

在宅介護が限界を迎える家族の多くが、こんな気持ちを抱えています。

「大変だけど、我慢するしか方法がない」
「私がもう少し頑張れば、何とかなる」

介護をする中で、我慢や踏ん張りが必要な場面があるのは事実です。
しかし、介護は時間が経てば自然に楽になるものではありません。


「でも、もっと大変な人もいるし…」
そう思われる方もいるかもしれません。

実際、オムツ交換が必要だったり、食事に全介助が必要な状態ではない
比較的「軽度」と言われる介護の方が、限界に気づきにくいケースは少なくありません。

はっきりと言います。
精神的な負担は、介護の重さと比例していません


まだ一人でできることは多い。
だからこそ、介護と認識されにくい緊張が続きます。

・家に一人で置いて外出することが心配で、常に気が張っている
・夜中の小さな物音で目が覚め、熟睡できない
・トイレやお風呂のたびに、排泄の汚れがないか確認している

こうした緊張が、一日ではなく、毎日続いていきます。

自分では「これくらい大したことはない」と思っていても、
知らず知らずのうちに心と体は消耗していきます。


そして、もう一つ大きな問題があります。
それは、周囲からこの苦しさが見えにくいことです。

「もっと介護が必要な人と比べたら、私はまだ楽なほう」
そうやって自分に言い聞かせ、踏ん張り続けてしまうのです。

けれど、
限界がくるのは、介護が下手だからでも、我慢が足りないからでもありません。

真面目で、責任感が強い人ほど、
知らず知らずのうちに、24時間介護している状態になってしまいます。

それでは、心も体も限界がきて当たり前です。


共通点②「迷惑をかけたくない」が口癖になっている

在宅介護が限界になる家族は、とても周囲に気を遣います。

  • ヘルパーさんに迷惑をかけたくない
  • ケアマネに何度も相談するのは申し訳ない
  • 兄弟に頼るほどのことじゃない

介護サービスは本人だけでなく家族を支えるための制度です。また第三者が関わることで状況は良い方向に進む場面も多くあります。
ケアマネの仕事は、本当の生活を知ることから始まります。
遠慮なく、何度でも相談してください。
それが、私たちの役割です。


共通点③「本音を誰にも言えていない」

限界が近い家族ほど、本音を言いません。

  • 「つらい」と言えない
  • 「もう無理」と言えない
  • 「逃げたい」と思っていることを隠している

ケアマネとの面談でも
「大丈夫です」「何とかなっています」
と笑顔で答える方も少なくありません。

「話しても解決しない」と思われている方も少なくありません。解決の方法はすぐには見つからないかもしれません。
しかし、話すことには、大きく分けて次の2つの効果があります。

①自分の気持ちが整理される(話す側)
悩みを言葉にする過程で、
「何が一番つらいのか」「何に困っているのか」がはっきりしてきます。
頭の中でぐるぐるしていた感情が整理され、
それだけで気持ちが少し軽くなることがあります。


② 視点が変わり、新しい気づきが得られる
話を聞いた相手の反応や言葉を通して、
「そんな考え方もあるのか」
「自分はそこまで自分を責めなくていいのかもしれない」
と、見方が変わることがあります。これはアドバイスをもらうというより、
話した結果として自然に生まれる気づきです。

ケアマネとして本当に伝えたいこと

在宅介護は、
一人で抱えるものではありません。

限界を感じる前に、
・相談する
・弱音を吐く
・選択肢を増やす

これらは家族や自分自身を守る立派な行動です。

ケアマネは
「何でもできる人」ではなく、
一緒に考えるための存在です。

遠慮しすぎず、「正直しんどいです」その一言からで構いません。


最後に

もしこの記事を読んで
「これ、私のことかもしれない」
と感じたなら。
あなたはもう、十分頑張っています。

どうか、一人で抱え込まないでください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました