デイサービスとは?料金や利用までの流れをわかりやすく解説

介護のお仕事

在宅介護を支える心強いサービス、それが「デイサービス(通所介護)」です。
介護が必要な高齢者が日中だけ施設で過ごし、入浴・食事・機能訓練などを受けながら、心身の維持や社会的なつながりを保つことを目的としています。
今回は、家族介護者や介護職の方に向けて、デイサービスの内容や費用、利用までの流れをわかりやすく解説します。


デイサービスの基本的な役割

デイサービス(通所介護)は、要介護認定を受けた方が利用できる介護保険サービスのひとつです。
施設に通い、専門職のサポートを受けながら1日を過ごします。主な目的は次の3つです。

  1. 日常生活の支援
     入浴や食事、排泄などを職員がサポート。自宅では難しい全身浴や機械浴も可能です。
  2. 機能訓練(リハビリ)
     理学療法士や作業療法士が中心となり、身体機能の維持・向上を目指す訓練を行います。
  3. 社会参加と心のケア
     レクリエーションや趣味活動を通して、利用者同士の交流を促進。閉じこもりや認知症の進行予防にも効果的です。

1日の流れの例

デイサービスの1日は、だいたい次のように進みます。

時間帯内容
8:30〜9:30送迎車で自宅へお迎え
9:30〜10:00バイタルチェック(血圧・体温など)
10:00〜12:00入浴・個別リハビリ
12:00〜13:00昼食・休憩
13:00〜15:00レクリエーション・体操・作品づくり
15:00〜15:30おやつ・歓談
16:00〜17:00ご自宅まで送迎

施設によっては、短時間(3〜4時間)の利用コースや、入浴・機能訓練だけの利用も可能です。


デイサービスの料金(自己負担額)

デイサービスは介護保険が適用されます。
自己負担は介護度と利用時間、加算の有無によって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。

要介護度1日あたり7〜8時間利用)自己負担額(1割負担の場合)
要介護1約700〜800円
要介護2約800〜950円
要介護3約1,000〜1,100円
要介護4約1,150〜1,250円
要介護5約1,300〜1,400円

※これに食費(1回600〜800円程度)やおやつ代、機能訓練・入浴などの加算が上乗せされます。
※所得に応じて2割・3割負担となる場合もあります。


〈具体例〉1日の利用料金のイメージ

  • 要介護2の方(7時間利用)
     基本利用料:880円
     入浴加算:50円
     食費:700円
     合計:約1,630円(1割負担の場合)

1か月で週2回(8回)利用した場合、約13,000円前後の自己負担になります。
※送迎費用は原則無料(施設側が負担)です。


利用までの流れ

デイサービスを利用するには、介護保険の手続きが必要です。流れは次の通りです。

① 介護認定を受ける

市区町村の窓口で要介護認定を申請します。
結果が出るまでおよそ1か月程度。要支援1〜2、要介護1〜5のいずれかに区分されます。

② ケアマネジャーに相談

要介護認定後、居宅介護支援事業所に所属するケアマネジャーが担当になります。
利用者や家族の希望を聞き取り、ケアプラン(介護サービス計画書)を作成します。

③ デイサービスの見学・契約

ケアマネジャーを通して施設見学を行い、雰囲気やプログラム、スタッフ対応を確認します。
担当者会議にてケアプラン原案に同意後、事業所と契約手続きを行います。

④ 利用開始

初回は慣らし利用として半日コースからスタートするなど個別対応も可能です。ケアマネジャーに意向を伝えておきましょう。
スタッフと家族で情報共有を行いながら、安心して通える体制を整えます。


デイサービスを利用するメリット

1. 家族の介護負担が軽減される

介護を一手に担う家族にとって、在宅介護は想像以上に大きな負担です。
デイサービスを利用することで、「自分の時間」や「休息の時間」を確保できます。

そして入浴サービスを受けることで、清潔を保つことや安全な環境で入浴することができるので家族の負担もぐんと軽減することができます。

2. 本人の生活リズムが整う

決まった時間に通うことで、昼夜逆転や生活リズムの乱れを防ぎます。明日はデイサービスというように予定があることで明日は何を着ていこう、何時に起きようと考え、生活にメリハリも出てきます。
また、職員や他の利用者との交流が刺激となり、意欲や笑顔が増える方も多いです。

3. 専門職によるケアが受けられる

理学療法士・看護職員・介護職員など、専門的な知識を持つスタッフが支援します。
家庭だけでは難しいリハビリや健康チェックも行われ、病気の早期発見にもつながります。


デイサービスの選び方

施設ごとに雰囲気や得意分野が異なります。
見学時には、次のポイントをチェックしましょう。

  • 職員の対応や雰囲気が明るいか
  • 入浴設備やトイレが清潔か
  • リハビリの専門職による機能訓練を受けれるか
  • レクリエーションの内容が本人に合っているか
  • 医療的ケア(服薬・インスリン・ストーマ等)への対応可否
  • 利用者の様子(表情・会話・活動意欲)

以前はみんなでレクリエーションを行うということが一般的でしたが、今は事業所により個別での活動を重視しているとこが増えてきました。またリハビリに力を入れていたり、美容に力を入れているところもあります。雰囲気も古民家のようなところからカフェのような雰囲気の施設など様々です。行くことが楽しみとなるような事業所を選ぶようにしましょう。


まとめ:デイサービスは“自立支援”と“家族の安心”を支える場

デイサービスは、単なる「預かり」ではありません。
**本人の生活の質を高め、家族の介護負担を軽くする「地域の支え合いの場」**です。
足腰が弱り外出の機会は減っていませんか?デイサービスが外出の機会となり、生き生きとした生活の再開に繋がることもあります。

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