介護保険で利用できる福祉用具貸与（レンタル）とは
在宅介護を始めると、生活の中で「移動が大変」「立ち上がれない」「お風呂が怖い」など、さまざまな悩みが出てきます。
そんなときに頼りになるのが、介護保険で使える福祉用具貸与（レンタル）サービスです。
この記事では、はじめて介護に携わる方にもわかるように、福祉用具貸与の仕組み・対象者・費用・手続きの流れを解説します。
福祉用具貸与とは？介護保険で「借りられる」安心の仕組み
「福祉用具貸与」とは、介護保険を利用して必要な介護用品をレンタルできる制度です。
自宅で安全・快適に生活するために、介護用ベッドや車いす、手すりなどを借りることができます。
利用対象者
- 要介護1〜5の認定を受けている方
- 要支援1・2の方は一部対象外（例：ベッド・車いす）
自己負担は1〜3割。高額なベッドや車いすも、月数百円〜数千円で利用できます。
【一覧】介護保険でレンタルできる福祉用具の種類
福祉用具貸与では、次のような用具を介護保険でレンタルできます。
| 分類 | 主な例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 特殊寝台（介護ベッド） | 電動ベッド | 背上げ・高さ調整で介助しやすい |
| 車いす | 標準・リクライニングなど | 外出や室内移動をサポート |
| 手すり | 据え置き型・ベッドサイド型 | 転倒防止に効果的 |
| 歩行器・歩行補助杖 | 歩行器・多点杖 | 歩行の安定性アップ |
| スロープ | 段差解消用 | 車いすや歩行器での移動をスムーズに |
| 床ずれ防止用具 | マットレスなど | 体圧分散で褥瘡予防 |
| 移動用リフト | 介助リフト | 移乗介助を安全に実施 |
購入よりレンタルが便利な理由
介護用品は高価なものも多いです。また身体の状態も変化します。
身体の状態に応じたものを利用することができるからこそ、「購入」より「レンタル」がおすすめです。
✅ 状況に合わせて交換できる
身体の状態が変わっても、レンタルなら適した用具に変更できます。
✅ 故障や修理の心配なし
不具合が起きた場合は、福祉用具事業者が修理・交換に対応。定期的に点検も行います。
✅ 経済的に負担が少ない
高額な福祉用具も介護保険の1〜3割負担で利用可能。また1週間ほどお試し利用できることも多いので実際に使ってみて貸与を検討することができます。
✅工事不要
工事が不要なので、賃貸であっても設置が可能です。また必要な時にすぐに設置することができます。
福祉用具貸与の利用手順【初心者向けフロー】
実際の流れをわかりやすく紹介します。
- 介護保険の申請・要介護認定を受ける
市区町村に申請し、要支援または要介護の認定を受けます。 - ケアマネジャーに相談する
必要な福祉用具を検討します。 - 福祉用具専門相談員が訪問
自宅を確認し、安全に設置できる用具を提案。 - 担当者会議
計画書原案を確認します。 - 契約・設置・説明
事業者と契約し、用具を設置。使い方や注意点の説明を受けます。 - 定期メンテナンス
使い続ける間も、事業者が点検・調整を実施。
費用の目安と自己負担額
介護保険を使ったレンタル費用の目安を以下に示します。
| 用具名 | 月額費用（目安） | 自己負担（1割） |
|---|---|---|
| 介護ベッド | 約8,000円 | 約800円 |
| 車いす | 約6,000円 | 約600円 |
| 手すり | 約2,000円 | 約200円 |
| スロープ | 約5,000円 | 約500円 |
※実際の費用は地域・事業者により異なります。
トラブルを防ぐためのチェックポイント
- 設置場所の広さを確認（特に介護ベッド）
- コンセント位置や動線も事前にチェック
- 「使いづらい」と感じたらすぐ相談
- 定期点検を受けて安全に使用する
まとめ：福祉用具を上手に使って介護をラクに
福祉用具貸与は、在宅介護を「安全」「快適」「継続しやすく」するための大切な制度です。
無理をせず、使える制度は上手に活用しましょう。
困った時はケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談し、
あなたやご家族にぴったりの用具を選ぶことが、介護を長く続けるコツです。
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