娘・息子がまず知っておくべき“最初の一歩”
「最近お母さん(お父さん)、なんだか様子がおかしい…」
そう感じた瞬間、胸の奥がざわつくような不安に包まれますよね。
・同じ話を何度もする
・財布や鍵を頻繁に失くす
・料理の味付けが変わった
・約束した予定を忘れる
・家の中が片付けられなくなった
これらは“加齢による物忘れ”にもよくあることですが、認知症の初期症状でもよくみられる変化です。
この記事では、「認知症かもしれない」と思ったときに、家族が最初に取るべき行動を、できるだけわかりやすく整理してまとめました。
1人で抱え込みやすいテーマだからこそ、順番と要点がわかるだけで気持ちがずいぶん軽くなります。
1. まずは“変化の記録”をする
病院へ行くにしても、家族が専門家に相談するにしても、日常の変化の記録はとても重要です。
◆どんなことを記録すればいい?
- いつから変化が出始めたか
- 物忘れの頻度・内容
- 気分の変動があるか(怒りっぽい、不安が強い など)
- 生活の失敗(料理、買い物、薬の飲み忘れ)
- 夜の様子(夜間の徘徊、不眠)
分かる範囲で大丈夫です。スマホのメモでも紙でも何でもOK。まずは書き出してみましょう。そうすることで漠然とした不安を整理することができます。
特に病院での診断時には、本人よりも同居家族の記録が大きな手がかりになります。
2. 一人で背負わない。まずは地域包括支援センターへ相談
「認知症かも」と家族だけで悩んでも、何から始めるべきか分からないものです。
そんなときの最初の相談窓口が 地域包括支援センターです。
◆地域包括支援センターでできること
地域包括支援センターは地域の高齢者の総合相談窓口です。 各市区町村に設置されており、高齢者および高齢者を支える人たちが利用できます。 相談できる内容は、日常生活でのちょっとした心配事から、病気、介護、金銭的な問題、虐待など多岐にわたります。
相談受付の担当職員が内容を丁寧に聞き取り、必要に応じて専門職や専門機関へつないでくれます。
電話相談も可能ですし、相談は無料。
地域の高齢者支援の拠点として、最初の一歩として頼りになる場所です。
お住まいの地域の地域包括支援センターへ相談してみましょう。
3. 医療機関で“認知症の可能性”を評価してもらう
認知症の確定診断には 医師の診察 が必要です。
◆どこを受診すればいい?
- もの忘れ外来
- 神経内科
- 精神科(認知症専門外来があるところ)
- 脳神経外科
最近では「もの忘れ外来」を設置している病院も多く、家族と一緒に受診するケースがほとんどです。
◆診察で行われること
- 問診(家族からの情報が非常に重要)
- 認知機能検査(長谷川式、MMSEなど)
- MRI/CT検査(脳の状態を確認)
- 血液検査(他の病気の可能性の除外)
特に注意すべきなのは、
認知症に似た症状が、他の病気や薬の副作用で起こることがあるという点。
早めに受診することで“治る原因”を見逃さずに済みます。
4. 介護保険の申請をしておく
認知症が疑われる段階でも、介護保険は申請可能です。
むしろ早めに申請することで、必要なサービスにつながりやすくなります。
◆申請先
- 市区町村の高齢福祉窓口
- 地域包括支援センター
申請後、約1か月ほどで認定結果が出ます。
◆申請しておくメリット
要介護(要支援)認定がおりると介護保険サービスを利用することができます。身体は元気なのに介護保険利用したほうがいいの?という声も聞かれますが、要支援認定は介護予防サービスといって要介護状態になることを予防するためのサービスです。
例えば‥デイサービスを利用することで会話や活動が刺激になり、認知症の進行を予防することに繋がります。また認知症が進行してからではデイサービスの環境に慣れることができないことも多いのです。早めに利用に慣れておくことで今だけでなく今後の支えにもなってきます。
5. 家の中の“困りごと”を早めに整える
認知症の初期段階では、生活のちょっとした工夫でトラブルを大幅に減らせます。
◆すぐにできる環境調整の例
- お薬を一包化してもらう/お薬カレンダーを利用する
- 鍵・財布の定位置を決める
- ガスコンロをIHに替える
- メモを書く習慣をつける
- 通帳や印鑑の管理を徐々に引き継ぐ
生活環境を整えることで、本人の不安も家族の負担も減らせます。認知症が進行してしまうと変化に対応することがより困難になります。
あれ?と思った時が環境を整えるタイミングです。
6. “否定しない・責めない”コミュニケーションを意識する
認知症の初期でよく起こるのが、家族との衝突です。
「忘れてない!」
「やってないと言ってるでしょ!」
本人が怒りっぽくなったり、否定したりするのは、
混乱や不安を隠すための防衛反応であることが多く、決して性格の問題ではありません。
◆関わり方のポイント
- 間違いを指摘しすぎない(否定しない)
- 責める言い方を避ける
- 伝えたいことは一つづつ、簡潔に伝える
- “困っていること”を一緒に解決するスタンスで
家族が安心して接することで、本人も落ち着きやすくなります。不安が大きくなると周辺症状と呼ばれる、徘徊など認知症の症状がより強く出やすくなります。
家族だからこそ、つい怒ってしまうこともあると思います。心の余裕があるときで大丈夫です。否定しない対応を実践してみてください。
7. 家族自身の不安を抱え込まない
認知症の心配は、家族にとっても心の負担が大きいものです。
- 母(父)が変わってしまうかもしれない恐怖
- 介護への不安
- 誰にも相談できない孤独感
- 病気だとわかっていても苛立つ
これらは多くの人が抱える“自然な感情”です。
◆頼れる場所を持っておく
- 地域包括支援センター
- ケアマネジャー
- 認知症カフェ
- 家族会
- 主治医
- デイサービスやショートステイ
一人で支え続ける必要はありません。
家族が笑顔で過ごせることも、認知症ケアの重要な一部です。今のうちから気軽に話せる相手をもっておきましょう。
8. まとめ:認知症かも?と思ったら“順番と伴走者”が大事
認知症を疑ったとき、最も大切なのは
早めに動くこと、そして家族だけで抱え込まないこと。
◆最初のステップをまとめると
- 日常の変化を記録
- 地域包括支援センターへ相談
- 医療機関を受診
- 介護保険の申請
- 家の中を整える
- コミュニケーションの工夫
- 家族の相談場所を確保する
この7ステップを知っているだけで、
「どうしよう…」という漠然とした不安が、
「この順番で進めていけばいい」という安心感に変わります。
あなたとお母さん(お父さん)のこれからが、笑顔で過ごせますように。



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