介護職が知っておきたいメンタルケアとストレス対処法
はじめに
介護の仕事は「ありがとう」と感謝されるやりがいのある仕事です。
しかしその一方で、身体的・精神的な負担が大きく、メンタル面で不調を抱える方も少なくありません。
実際に「ストレスで仕事を続けられなくなった」という実例を目の当たりにしてきました。
わたし自身も介護の現場で10年程働く中で心掛けていた
自分の心を守りながら働く工夫 。
この記事では、実際に私もやっていた、介護職が知っておきたいストレス対処法とメンタルケアのポイントをまとめました。
なぜ介護職はストレスを感じやすいのか
介護の仕事にはさまざまなやりがいがありますが、同時に負担も大きいのが現実です。
- 身体的負担
基本的に立ち仕事が多く、移乗やオムツ交換など、腰や肩に負担のかかる業務がある。不規則勤務や夜勤もあり生活リズムが乱れやすい。 - 精神的負担
相手のためを思って行動しても暴言や暴力で返ってくることがある。認知症の利用者への対応や、家族からの要望・クレームに対応する場面も。感情労働の側面が強い。 - 人間関係のストレス
チームで働く仕事なので、同僚や上司との関係性が良くないと大きなストレス要因になる。
こうしたストレスは、介護職の離職率の高さとも直結しています。
ストレスのサインを見逃さない
ストレスは「我慢すればなんとかなる」と思いがちですが、放置すると心身に不調が表れます。
代表的なサインは
- 夜なかなか眠れない、熟睡できない
- 食欲がなくなる、逆に食べ過ぎる
- 仕事中にイライラしやすくなる
- 出勤前に強い憂うつ感がある
こういった症状はありませんか?これらは心のSOSかもしれません。
早めに気づいて対処することが、心を守るための第一歩です。
介護職におすすめのストレス対処法
1. 職場でできるセルフケア
- 休憩時間に深呼吸を数回行う
- 1分でもいいので窓の外を見たり、軽く体を伸ばす
- 気の合う同僚と雑談をして気分を切り替える
2. オフの日の過ごし方
- 軽い運動(ウォーキングやストレッチ)でリフレッシュ
- 趣味に没頭する時間を作る
- 職場以外の人と交流して視野を広げる
3. 相談する勇気を持つ
- 上司や信頼できる同僚、家族や友人に話を聞いてもらう
- 職場に相談窓口(EAP)がある場合は活用する
- 自治体や福祉系の電話相談、心療内科に相談するのも有効
心を守るメンタルケア習慣
- 話す、書く:思いを話したり、書いたりすることで客観的に物事を考える
- 食事を大切に:栄養バランスを意識する
- 運動を取り入れる:ストレッチや軽い筋トレで体をほぐす
- プライベートを大事にする:仕事と家庭を切り分ける
- 生活リズムを整える:夜勤明けも最低限の睡眠時間を確保
ケアマネジャーからのアドバイス
ケアマネジャーとして強く感じるようになったことは、「一人で抱え込まないこと」 の大切さです。
介護はチームで取り組む仕事です。
辛いときは「ちょっと聞いてもらえますか?」と口に出すだけでも状況は変わります。
メンタル不調を防ぐ最大の武器は、相談できる環境です。
ここまでメンタルケアについて話してきましたが、仕事を続けることや職場環境を改善していくことも大切ですが、なによりあなたの心を守ることが第一です。仕事を辞めることも一つの方法。同じ介護の仕事でも会社によって働きやすさはことなります。あなたにあった会社があるはずです。私自身も2度の転職を経て、やりがいと家庭を大切にできる環境を手に入れることができました。適度なストレスはセルフケアで対処しながら、あなたの心を守っていきましょう。心に余裕をもつことが利用者への対応にもよりよい変化をもたらしてくれるはずです。
まとめ
- 介護職はストレスを感じやすいが、セルフケアと相談体制があればストレスは軽減される
- ストレスのサインを見逃さず、早めに対応することが大切
- 心に余裕をもつことが、利用者への対応にも余裕ができる
あなたにあった心の保ち方が見つけれるよう、ぜひ今日から一つでも実践してみてください。
信頼性について
この記事は現役ケアマネジャーによる執筆です。
内容は厚生労働省の資料や現場での経験をもとにまとめています。
👉 厚生労働省「介護職員のメンタルヘルス対策」:https://www.mhlw.go.jp



コメント