施設系と在宅系、どっちが自分に合う?
介護職の働き方と仕事内容の違いを徹底解説!
介護の仕事を探していると、「特養」「デイサービス」「訪問介護」など、さまざまな職場が目に入ります。
求人票の中には「施設介護職員」や「訪問介護員(ホームヘルパー)」といった言葉が並び、どんな働き方なのか、どちらが自分に向いているのか迷う人も多いのではないでしょうか。
今回は、施設と在宅の経験を経て分かった
「施設系」と「在宅系」介護の仕事内容・働き方・向いている人の特徴をわかりやすく紹介します。
これから介護職を始める方、転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
施設系介護とは? ―「暮らしそのもの」を支える仕事
● 主な勤務先
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 有料老人ホーム
- グループホーム など
施設系の介護は、入居型の施設で生活する利用者の介護を行う仕事です。
利用者さんはその施設で「生活」しており、介護士は日々の暮らし全般を支える役割を担います。
● 仕事内容の特徴
施設系介護の仕事は、「生活支援」と「身体介護」の両方を幅広く行います。
主な内容は以下の通りです。
- 食事・入浴・排泄の介助
- 着替え・整容(身だしなみ)支援
- 口腔ケア
- レクリエーションや外出支援
- ナイトケア(夜勤での見守り・トイレ誘導など)
介護士はチームでシフトを組み、24時間体制で利用者をサポートします。
日中は介助やレク、夜間は安否確認や就寝介助など、1日の流れが決まっているのも特徴です。
● 施設系介護のやりがい
施設では、毎日同じ利用者と顔を合わせます。
季節ごとの行事を一緒に楽しんだり、日々の変化を見守ったりと、**「家族のような関係性」**が築けるのが魅力です。
たとえば、入居当初は無表情だった方が、数か月後には笑顔で話しかけてくれるようになったとき、
「この仕事をしていてよかった」と心から感じる瞬間があります。
● 働き方の特徴
- シフト制(早番・日勤・遅番・夜勤)
- 夜勤手当などで収入面が安定しやすい
- 施設によっては要介護度が高い方が多く、介助メインとなることも
夜勤を含むため体力的な負担はありますが、その分収入も高くなる傾向があります。
また、同僚と助け合いながら働けるので、仲間意識が強い職場が多いのも特徴です。
在宅系介護とは? ―「自宅での暮らし」を支える仕事
● 主な勤務先
- 訪問介護事業所(ホームヘルパー)
- 通所介護(デイサービス)
- 小規模多機能型居宅介護
- 定期巡回・随時対応サービス など
在宅系の介護は、利用者が自宅で安心して生活を続けられるよう支援する仕事です。
介護保険の理念である「自立支援」に最も近い働き方といえます。
● 訪問介護(ホームヘルパー)の仕事
ヘルパーが利用者の自宅を訪問し、必要な支援を行います。
- 身体介護:入浴・排泄・着替え・服薬介助など
- 生活援助:掃除・洗濯・調理・買い物代行など
1件あたり30〜60分ほどのサービスを、1日に数件回ります。
一人で訪問し、一対一で関わるため、利用者との信頼関係が非常に重要です。
● デイサービスの仕事
日帰りで利用者を受け入れ、食事や入浴、機能訓練、レクリエーションなどを提供します。
送迎業務を担当することも多く、日中のみの勤務で夜勤がないのが特徴です。
● 在宅系介護のやりがい
利用者の「自分の家で暮らしたい」という願いを支えることができます。
住み慣れた環境で過ごす安心感を守りながら、少しずつ自立を促すサポートが求められます。
たとえば、骨折で入院し、足腰が弱り、退院後からは自宅に閉じこもり傾向であった利用者が、利用を重ねるごとに歩行が安定し「買い物に娘と行けたよ」と笑顔を見せてくれると、努力が形になった実感が湧きます。
利用者の生活力を引き出すことがやりがいの中心です。
● 働き方の特徴
- 日中勤務が中心(夜勤なし)
- 訪問系は基本的に一人で対応
- 勤務時間の調整がしやすい
- 土日休みのところも多い
子育てや家事と両立したい方に向いている働き方です。
ただし、天候や移動の影響を受けやすく、自己管理能力や判断力が求められる点は注意が必要です。
施設系と在宅系の違いまとめ
| 項目 | 施設系介護 | 在宅系介護 |
|---|---|---|
| 主な職場 | 特養・老健・グループホームなど | 訪問介護・デイサービスなど |
| 対応人数 | 複数の入居者をチームで支援 | 利用者一人ひとりを個別支援 |
| 働き方 | シフト制(夜勤あり) | 日勤中心(夜勤なし) |
| 仕事の特徴 | 生活全般を支える・チームプレー重視 | 自立支援・個別対応・一人業務が多い |
| 向いている人 | チームで協力し合うのが好きな人 | 一人ひとりとじっくり関わりたい人 |
| やりがい | 利用者の「暮らし」を共にする | 利用者の「自立」を支える |
どちらの介護も「人の暮らし」を支える尊い仕事
施設系と在宅系では、働き方や業務内容に違いがありますが、どちらも**「その人らしい生活」を支える**という目的は同じです。
介護職としてのやりがいを感じるポイントは違っても、利用者の笑顔や「ありがとう」の言葉に心が温かくなる瞬間は共通しています。
ワンポイントアドバイス
介護の仕事は、経験を積むことでキャリアの幅が広がります。
施設で介護技術を学んでから在宅へ転職する人もいれば、その逆もあります。
どちらかに絞る必要はなく、自分のライフスタイルや目標に合わせて働き方を変えていくのも良い選択です。
もし今、どちらにしようか迷っているなら、まずは自分がどんな関わり方をしたいか考えてみてください。
- 「たくさんの人と関わりながら働きたい」→ 施設系
- 「一人ひとりにじっくり寄り添いたい」→ 在宅系
どちらを選んでも、介護の仕事は人の人生に深く関わるやりがいのある仕事です。
自分らしく働ける場所を見つけて、一歩を踏み出してみてください。
まとめ
- 施設系:入居者の暮らし全体を支える仕事
- 在宅系:利用者の自宅生活をサポートする仕事
- 夜勤の有無や働き方に違いがあるが、どちらも人を支える尊い職業
- 迷ったら「自分がどんな関わりをしたいか」で選ぶのがおすすめ
介護の仕事は、“生活を支えるプロ”として人の人生に寄り添うこと。
あなたの優しさや思いやりが、誰かの「今日」を支えています。
新しい一歩を、ぜひ自信をもって踏み出してください。



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