ポータブルトイレの臭い対策|原因と5つの対処法をケアマネが解説

介護用品おすすめ

「ポータブルトイレを置いてから、部屋の臭いが気になる」

「排泄物は捨てているのに、なぜか尿の臭いが残っている」

在宅介護では、ポータブルトイレの臭いに悩むご家族は少なくありません。

でも、臭いがする=掃除が足りないとは限りません。

排泄物そのものだけでなく、便座や床への尿の飛び散り、バケツやフタに残った汚れなど、臭いの発生源はいくつかあります。

また、夜間や家事の途中など、排泄のたびにすぐ処理できないこともあるでしょう。

この記事では、介護現場に10年以上携わってきたケアマネジャーの視点から、ポータブルトイレの臭いの原因と、家庭で無理なく続けやすい対策を解説します。

まずはここから|ポータブルトイレの臭い対策5つ

臭いが気になったら、まず次の5つを確認してみてください。

  1. 排泄物をできる範囲で早めに処理する
  2. 使用後はフタを閉める
  3. 便座や床に尿が飛び散っていないか確認する
  4. 排泄後や掃除後に換気する
  5. すぐ処理できない場合は処理袋なども検討する

すべてを一度に完璧にする必要はありません。

まずは、どこから臭っているのかを確認することが大切です。

ポータブルトイレの臭いの原因別に、排泄物は早めに処理、尿の飛び散りは周囲を確認、床・マットは染み込みを確認、部屋は換気することを示す図

ポータブルトイレが臭う主な原因

排泄物が長時間残っている

バケツの中の尿や便が室内にある時間が長いほど、臭いは広がりやすくなります。可能であれば、排泄後はできる範囲で早めに処理しましょう。

夜間などすぐ対応できない時間帯は、フタを閉めるなど、家族が無理なく続けられる方法を選んでください。

尿が便座や床に飛び散っている

「排泄物を捨てたのに尿臭がする」という場合は、本体の中だけでなく、次の場所も確認してください。

  • 便座
  • 便座の裏
  • バケツの周囲
  • 本体の側面
  • マット

などに付着することがあります。

少量の尿は見つけにくいため、ポータブルトイレ本体をきれいにしていても、床などに臭いの発生源が残っていることがあります。

バケツやフタの裏に汚れが残っている

バケツの内側だけでなく、

  • バケツのふち
  • 便座の裏
  • フタの裏
  • 部品の境目

なども確認してみましょう。

凹凸のある場所は汚れを見落としやすい部分です。

床やマットに尿が染み込んでいる

本体を掃除しても臭いが変わらない場合は、床やマットも確認します。布製のマットやカーペットは尿が染み込むと臭いが残りやすいため、拭き取りやすい防水タイプへ替えるのも一つの方法です。

ケアマネKIKI

ケアマネKIKI
ポータブルトイレをきれいにしているのに臭うときは、床や周囲も確認してみてください。「掃除が足りない」のではなく、別の場所に原因が残っていることがあります。

便臭が気になるときは排泄後の処理を見直す

便臭が気になるときは、排泄物そのものへの対応を優先します。

家族が対応できる時間であれば、排便後はできる範囲で早めに処理し、すぐに対応できない場合はフタを閉めておきましょう。

フタは臭いの原因をなくすものではありませんが、処理までの間に臭いが広がるのを抑える助けになります。夜間の処理が負担になっている場合は、処理袋も選択肢の一つです。

ポータブルトイレの掃除は「汚れを残さない」を基本に

毎回すべてを分解して掃除する必要はありません。尿や便が付着した場所をそのままにせず、製品に合った方法で手入れしましょう。

洗剤や消毒方法は取扱説明書を確認する

ポータブルトイレは製品によって、使用できる洗剤やお手入れ方法が異なります。

例えば、ポータブルトイレの取扱説明書には、中性洗剤でのお手入れを案内する一方、漂白剤や便器用洗剤などを使用しないよう指定している製品もあります。

「トイレだから漂白剤を使えばよい」と判断せず、使っている製品の取扱説明書を優先してください。

洗剤を混ぜないでください

塩素系洗浄剤と酸性タイプの洗剤などを混ぜると、有害な塩素ガスが発生する危険があります。

洗剤を使うときは製品表示を確認し、「まぜるな危険」と表示されている製品は特に注意しましょう。

時間が取れる日に洗浄・乾燥まで済ませる

毎日の介護の中で、ポータブルトイレをゆっくり手入れする時間を取るのは簡単ではありません。

しっかりお手入れしたい場合は、本人がデイサービスや通院で外出している時間を利用して、洗浄・乾燥まで済ませる方法もあります。

毎日完璧に行うのではなく、生活の中に「手入れしやすい時間」を作っておくと続けやすくなります。

詳しい後処理や基本的な使い方については、ポータブルトイレの使い方も参考にしてください。

部屋に臭いを残しにくくする換気と設置場所

ポータブルトイレはベッドの近くなど生活空間に置くことが多いため、臭いが室内にこもることがあります。

排泄後や掃除後は、できる範囲で換気しましょう。

臭いだけを理由に遠くへ移動しない

「臭うから」とポータブルトイレをベッドから離したくなることもあるでしょう。

しかし、設置場所で最も優先したいのは、本人が安全に使えることです。

ベッドから遠くすると移動距離が長くなり、身体状況によっては夜間の転倒リスクにつながります。

まずは現在の場所で、

  • 換気しやすいか
  • 床を拭き取りやすいか
  • 周囲に尿が飛び散っていないか
  • 介助するスペースがあるか

を確認してみましょう。

ケアマネKIKI

ケアマネKIKI
臭い対策だけでポータブルトイレを遠くへ動かすより、安全に立ち座りできる位置を優先してください。設置場所に迷ったら、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員へ相談できます。

換気が難しい部屋では空気清浄機も選択肢

窓を開けにくい部屋や、夏・冬などこまめな換気が難しい時期には、空気清浄機を補助的に使う方法もあります。

ただし、空気清浄機だけで尿や便など臭いの発生源を取り除くことはできません。

基本となる順番は、

臭いの発生源を減らす
→ できる範囲で換気する
→ 必要に応じて空気清浄機を使う

です。

臭い対策を目的に空気清浄機を選ぶ場合は、HEPAフィルターの有無だけでなく、活性炭などを使用した脱臭・ガス対策フィルターが搭載されているかも確認してみてください。

ポータブルトイレの臭い対策は発生源を減らし、換気し、必要に応じて処理袋・消臭剤・空気清浄機を使う順番を示す図

消臭剤は必要?まずは臭いの原因を減らそう

消臭剤を使う前に、排泄物を処理し、周囲に汚れが残っていないか確認して、できる範囲で換気しましょう。それでも臭いが気になる場合に、消臭剤を補助として使います。

強い香りの芳香剤は、本人が不快に感じることもあります。寝室など長時間過ごす場所では、本人の好みも確認しながら使いましょう。

臭いが取れないときは、この順番で確認

何度掃除しても臭いが残るときは、次の順番で確認してみてください。

ポータブルトイレの臭いが取れないときに排泄物、便座・バケツ、床・マット、寝具・周囲を順番に確認する図

同じ場所を繰り返し掃除するのではなく、臭いの発生源を一つずつ切り分けるのがポイントです。

毎回完璧に掃除しなくても、続けられる方法を選ぼう

在宅介護では、食事や洗濯、仕事、通院に加えて、夜間の排泄介助が重なることもあります。

毎回完璧に処理・洗浄しようとすると、介護する家族の負担も大きくなります。まずは、その家庭で一番臭いにつながっている原因から対策することをおすすめします。

処理袋で臭い以外の負担が減ることも

処理袋を取り入れることで、排泄後の処理やバケツを洗う手間が減り、臭いや排泄時の音が気になりにくくなったケースもあります。

吸収材などが入った製品では排泄時の音がやわらぐことがありますが、製品や排泄状況によって差があります。

今の方法で困っていなければ、無理に使う必要はありません。一方で、

  • バケツを毎回洗うのが負担
  • 夜間すぐ処理できない
  • 臭いが気になる
  • 排泄時の音を本人が気にしている

という場合には、選択肢の一つになります。

ケアマネKIKI

ケアマネKIKI
介護用品は「便利そうだから」ではなく、今困っていることを一つ減らせるかで選んで大丈夫です。無理なく続けられる方法を探していきましょう。

処理袋を検討したい方へ

ポータブルトイレ処理袋おすすめ5選で、選び方やそれぞれの特徴を比較しています。

費用を抑えたい方は、ポータブルトイレ処理袋の代用方法も参考にしてください。

まとめ|まずは臭いの発生源を一つずつ確認しよう

ポータブルトイレの臭いが気になるときは、いきなり消臭用品を増やす前に、まず臭いの発生源を確認しましょう。

ポイントは、

  • 排泄物をできる範囲で早めに処理する
  • 便座だけでなく床や本体周囲まで確認する
  • 排泄後や掃除後にできる範囲で換気する
  • 換気が難しい場合は空気清浄機なども補助的に使う
  • 家族の負担が大きければ処理方法そのものを見直す

ことです。

ポータブルトイレの臭いは、家族の掃除不足だけが原因ではありません。

夜間にすぐ処理できなかったり、身体状況によって尿が周囲へ飛び散ったりすることもあります。

毎回完璧にする必要はありません。

今の家庭で一番困っているところを一つ減らす。

そこから始めてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました